プラニケル錠(一般名ヒドロキシクロロキン)は、全身性・皮膚エリテマトーデス(SLE)の治療薬です。
エリテマトーデスの原因ははっきりとわかっていませんが、自己免疫反応の異常が関係しているといわれており、全身の倦怠感などの炎症を思わせるような症状や、関節症状、皮膚症状などが見られます。
治療法として、ステロイド剤、免疫抑制剤、免疫調整剤、生物学的製剤などが挙げられます。
プラニケルは免疫調整剤の1つで、半世紀以上前から日本を除いた世界70か国以上で全身性・皮膚エリテマトーデスの標準的な治療薬として使用されてきました。日本では、国内の臨床試験で薬の効果、安全性が確認され、2015年に発売が開始しました。
ヒドロキシクロロキンは、1960年代に起こった薬害である「クロロキン網膜症」を起こしたクロロキンと似た構造・作用機序を持つ薬ですが、クロロキンと比べて眼の組織に対する結合は弱く、使用量も少ないため、ヒドロキシクロロキンによる網膜障害の発現率は相対的に低いといわれています。
投与前には、両眼の視力、眼圧、中心視野、色覚、光干渉断層計検査や、前眼部から眼底まで診察を行い、SLE網膜症などの眼疾患がないか確認します。また投与中は、早期の網膜症は自覚症状がないことも多いため、定期的に眼科検査を行うことが大切です。視力低下など気になる症状があらわれた場合は早めにご相談ください。