目のお話

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糖尿病網膜症

糖尿病で全身の血糖コントロールが不十分だと、目の網膜の細い血管が損傷し、網膜の循環不全や出血を起こします。進行すると新生血管と呼ばれるもろい血管が発生し、硝子体で出血を起こします。
糖尿病網膜症は、糖尿病腎症・糖尿病神経障害とともに三大合併症と呼ばれ、最悪の場合は失明に至ることがあります。かなり進行するまで自覚症状がない場合もあります。糖尿病と診断されたら、眼科でも定期的に眼底検査を受けましょう。

糖尿病網膜症の治療
基本は、原因となる糖尿病網膜症の治療をしっかり行い、良好な血糖値を保つことです。病気の進行具合に応じて薬剤治療、レーザー治療や硝子体手術を行います。

薬剤治療
▶糖尿病黄斑浮腫
網膜血管から血液成分が漏れ出すと、黄斑がむくんだ状態(浮腫)になり、視力が低下したり、物が歪んで見えたりします。病状に応じて、眼内または眼のまわり(テノン嚢下)へのステロイド注射や抗VEGF薬硝子体内注射などが適応になることがあります。

レーザー治療
血管が詰まって血液が流れなくなっているところ(無潅流領域)や血管の瘤(毛細血管瘤)をレーザー光線で凝固し、進行をくい止めることを目的に行います。

硝子体手術
出血により濁った硝子体を除去したり、網膜を牽引している増殖膜を切り取ります。